プロフィール
主要著書
戦後日本語教育学とナショナリズム――「思考様式言説」に見る包摂と差異化の論理
- 牲川波都季・著
- 2012年,くろしお出版刊[紹介ページ]
- 定価:3,150円
- ISBN: 978-4874245453
- Amazon.co.jp(内容の一部が閲覧できます)
日本語教育学が織りなしてきたナショナリズムの論理とは? 学習者の包摂/差異化を正当化する言説,その連綿と続く絡まりを,戦後60年にわたる日本語教育学の事例から解きほぐしていく。メタ日本語教育学の始動をつげる一冊。
わたしを語ることばを求めて――表現することへの希望
- 牲川波都季,細川英雄・著
- 2004年,三省堂刊[紹介ページ:内容の一部が閲覧できます]
- 定価:2,310円
- ISBN: 978-4385361987
- Amazon.co.jp
本書は,日本語教育学の研究者である細川英雄が行った高校生対象の国語表現教育について,その理論と現場の実際を記したものである。
この実践が独創的であるのは,何よりも,表現の授業でありながら,表現技術――作文用紙の使い方,プレゼンテーション技術など――について全く扱わず,学習者の表現内容だけを問題にする点にある。実践では,学習者が一人ひとり自分にとって魅力的な人物を選んでインタビューし,レポートを書くという活動が行われるのだが,細川がその活動を通じて学習者に問いかけたのは,「その人物はほかの誰でもないあなたにとってどんな存在なのか」というただ一点だに尽きる。この問いに答えようとして,学習者は,他者に対する自分の思いを表現することの困難と,その思いを表現してクラスメートらと共有することの喜びを知る。そして,そのプロセスの中で,それぞれの学習者は,自分が表現したいことに見合ったそれぞれの表現――「わたしのことば」を見つけ出してもいった。
この教室は,表現は一人ひとりの表現したい内容とともにしかありえないという,当然といえば当然の理念のもとに運営されている。しかし,教育の現場でそれを徹底して実践しようとすれば,教師は一人ひとりの表現したいことを引き出すという困難なハードルを乗り越えなければならない。一体この困難はいかにすれば克服できるのか。本書では,第一章で,細川が教室の大きな理念と方法論を述べ,第二章で,観察者として現場に立ち会った牲川が,細川の教室での動きを克明に描くことで,その克服のヒントを示した。第二章では,さらに,学習者がことばを発見していく生々しい現場を,一人ひとりの顔が見える形で再現した。学習者のことば発見の過程を追体験して,読者もまた,表現の困難さと,それでもなお「わたしのことば」で語ろうとする貪欲さに突き動かされるのではないだろうか。(牲川,2004より再掲)
- 牲川波都季(2004).新刊クローズアップ[書籍紹介:著者『わたしを語ることばを求めて──表現することへの希望』]『日本語学』23(9),49.
著書一覧は,研究コーナーをご覧ください。
学位論文
- 牲川波都季(2006).『戦後日本語教育学とナショナリズム――「思考様式言説」に見る包摂と差異化の論理』早稲田大学大学院日本語教育研究科博士論文.http://hdl.handle.net/2065/28522(『戦後日本語教育学とナショナリズム――「思考様式言説」に見る包摂と差異化の論理』として』2012年くろしお出版から公刊)
- 牲川波都季(2000).『富岡多惠子研究――その表現の変遷を焦点として』早稲田大学文学研究科修士論文(未公刊).
【添付資料】
受賞
- 平成24年度秋田大学優秀女性研究者表彰
経歴
- 2014-04~現在
- 関西学院大学総合政策学部 准教授(日本語教育センター 兼務)
- 2017-10~2018-03,2018-10~2019-03,2019-04~09,2021-04~09,2022-04~09
- 京都大学人間・環境学研究科 講師(非常勤)
- 2012-04~2012-09
- 放送大学学園 非常勤講師
- 2008-06~2014-03
- 秋田大学国際交流センター 准教授
- 2008-04~2008-09
- 早稲田大学大学院日本語教育研究科 非常勤講師
- 2007-01~2008-05
- Hope College (Holland: MI, USA), Visiting Assistant Professor
- 2006-08~2006-12
- Hope College (Holland: MI, USA), Intern-Native Assistant
- 2006-07
- 早稲田大学日本語教育研究科日本語教育学専攻 博士後期課程修了
- 博士(日本語教育学)学位取得
- 2006-04~2006-09
- 早稲田大学日本語教育研究センター 非常勤講師
- 2006-03
- 早稲田大学日本語教育研究科日本語教育学専攻 博士後期課程単位取得退学
- 2003-04~2006-09
- 横浜国立大学留学生センター 非常勤講師
- 2003-04
- 早稲田大学日本語教育研究科日本語教育学専攻 博士後期課程入学
- 2003-03
- 早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻 博士後期課程単位取得退学
- 2002-08~2002-11
- 防衛大学校外国語教育室 非常勤講師
- 2001-09~2004-08
- 早稲田大学日本語研究教育センター 助手
- 2000-03
- 早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻 修士課程修了
- 1998-03
- 早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻 科目等履修生修了
- 1997-03
- 早稲田大学第一文学部文学科日本文学専修 卒業
- 1993-03
- 富山県立富山中部高等学校 卒業
所属学会
学会委員
- 2021-04~現在
- 日本言語政策学会 理事
- 2020-04~2021-03
- 言語文化教育研究学会 学会誌編集委員会 委員
- 2019-06~2023-05
- 日本語教育学会 大会委員会 委員
- 2018-04~2023-03
- 言語文化教育研究学会 年次大会委員会 委員
- 2016-04~2018-03
- 言語文化教育研究学会 年次大会委員会 委員長
- 2012-07~2013-03
- 国立大学留学生指導研究協議会 北海道・東北地区幹事
- 2011-07~2013-06
- 日本語教育学会 研究集会委員会 東北地区代表者
- 2010-10~2013-03
- 日本語教育学会2012年度国際研究大会 実行委員
- 2009-07~2013-06
- 日本語教育学会 研究集会委員会 委員
- 2003-04~2020-11
- リテラシーズ研究会 編集委員